2011年5月24日火曜日

大統領と首相は無能か、せっかく訪れたチャンスなのに

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● ユソン企業牙山工場で占拠を続ける労組員。同社労組は23日、職場閉鎖措置が取られた牙山工場を占拠し、管理職の立ち入りを阻止した状態でストライキを続けた。



 せっかく大震災で東北地方にある部品工場が生産停止になり、日本の自動車産業界がダメージをくらっているとき、韓国はストライキで生産がストップするという。
 なにをやってんだ、韓国は。
 ビジネスというのは、相手の弱いところを突いてシェアを伸ばすのが常識だろう。
 フェアーな精神でスポーツをやっているわけではない。
 地震・津波は天災だ。
 でもストライキは人災だ。
 こういう絶好のタイミングでストライキを打たれるとはどういうことか。

 韓国の「大統領と首相は無能か」

 「韓国が無能なのではなく、日本が無能だと言いたい
 そして、
 「韓国もやはり無能なのだと言いたい」。
 それは分かるけど。
 相手が弱みを見せているときに、無能をしていてて何になる。
 しっかりしろよ、本当に。
 日本じゃトヨタが潰れたって、どういうこともない。
 「トヨタはやり過ぎだよ」というのが巷の声。
 「トヨタ商法には品格がない」というのが常識。
 トヨタがコケたら喜んで手を叩く人も多い。
 でも、韓国は「ヒュンダイサムスン」でもっているようなものだろう。
 これがコケたらどうなる。
 もう少し、目配りをしたらどうか。
 無能としかいいようがない。

 朝鮮日報記事から。


記事入力 : 2011/05/24 14:39:17
http://www.chosunonline.com/news/20110524000070

韓国車生産危機:ストは産業まひ狙いとの見方

 23日午後11時ごろ、京畿道光明市の起亜自動車所下里第1工場生産ラインでは、起亜自動車のミニバン「カーニバル」が移動式の組み立て用ラインに骨組みを露出したままぶらさがっていた。
 ラインを守る従業員の姿はなかった。
 所下里工場では、同日生産予定のカーニバル・ディーゼル仕様車130台を全く生産できなかった。
 エンジンに使うピストンリングの供給がストップし、20日から夜間操業を中断したのに続き、23日からは操業を全面的に中断したからだ。

 同日午後2時ごろ、現代自動車蔚山工場の「Rエンジン」(ディーゼルエンジン)生産ラインも操業を中断した。
 生産ラインの左右には、組み立てを待つエンジンブロックやシリンダーヘッドなどが積み上げられていた。

 18日から始まったユソン企業のストライキが、自動車メーカーの生産ラインに大打撃を与えている。
 ストライキが続いた場合、現代・起亜自動車は 26日以降、主力車種のソナタ、K5をはじめ、サンタフェ、ベラクルーズ、ツーソンix、ソレント、スポーテージなど大半の車種の生産に支障が出ることが避けられない見通しだ。
 韓国GMも30日以降、クルーズ、オーランド、アルフェオンなど7車種の生産ラインを止めなければならない。
 ルノーサムスンの SM5(2.0モデル)は6月から、双竜自動車のチェアマンは8月から生産が止まる可能性がある。

 完成車メーカーの操業中断は、5000-6000社の部品メーカーの操業中断へとつながる。
 韓国経営者総協会(韓国経総)関係者は
 「今回のストライキは全国民主労働組合総連盟(民主労総)と全国金属労働組合(金属労組)が日本の大地震から学んだことを応用し、業界まひを狙ったストライキだ」
と指摘した。

 3月の東日本巨大地震で日本の自動車部品メーカーの生産設備が破壊されたことによる影響は想像を上回った。
 日本は自動車メーカー8社が工場の操業を一時中断しただけでなく、米GM、フォード、クライスラーの一部工場も操業をストップした。
 世界の自動車業界のサプライチェーンが寸断されたからだ。

 ただ、韓国の自動車業界は、その被害を免れていた。
 部品の国産化率が97%に達し、日本から調達する重要部品がほとんどなかったからだ。
 今回ユソン企業で起きたストライキは、韓国内部のサプライチェーンに打撃を与えたものだ。
 ユソン企業は自動車のエンジンには必須のピストンリングとシリンダーライナーを生産している。
 特にピストンリングは韓国の自動車メーカーの需要量の80%を担っている。
 その生産が止まれば、韓国の自動車メーカーの生産に支障を来すというボトルネックになっている。

 労働界は業界まひを狙ったストライキとの見方に反発している。
 民主労総関係者は22日、
 「今回のストライキはかなり前からの手続きに従って決行されたにすぎない」
と述べた。
 しかし、民主労総と金属労組が意図したストライキではなかったかという疑念がいくつかの点で浮上する。
 まず、ユソン企業の工場占拠には、バレオ、トンヒオートなど他の部品メーカーの解雇労働者など外部勢力が数十人参加している。
 また、2008年4月にチョン・ガプドゥク金属労組委員長(当時)は、仁川で行われた金属労組中央交渉で、
 「20億ウォン(約1億5000万円)の争議基金さえあれば、重要部品の工場稼働を中断させ、完成車メーカー4社の生産を1カ月程度ストップさせる上で問題がない」
と発言したことがある。

 韓国経総関係者は
 「今回のストライキは、金属労組が韓国自動車業界の部品調達構造の弱点を正確に把握し、攻撃したものだ」
と分析した。

 現代自動車関係者は
 「ユソン企業のストライキによる波及効果を確認した労働界が類似するストライキを繰り返しはしないか心配だ」
と話した。
 約2万 5000種類ある自動車部品のうち、ユソン企業のように特定部品を事実上独占供給しているメーカーが10社余りあるとされる。
 ベアリング、カムシャフトなどがそうだ。

 韓国産業研究院のイ・ハング博士は
 「ピストンリングのように単価が非常に低い部品は、(生産規模が大きくなければ採算が取れないため、)複数の企業が利益を上げるのは難しい。
 現時点では主要部品メーカーがストライキを起こした場合、対策がないのが現実だ」
と指摘した。

 こうした弱点を補完するため、現代・起亜自は日本ピストンリング、ドイツのマーレなどからピストンリングを調達することも検討している。
 実際に供給を受けるためには、現代自のエンジンに合うピストンリングを発注し、開発を進める必要があるため、1年半程度の時間がかかるが、長期的な視点で調達先を分散するのが望ましいと判断したもようだ。



記事入力 : 2011/05/24 14:41:29
http://www.chosunonline.com/news/20110524000075

韓国車生産危機:「高収入でもスト、納得できない」
知識経済部長官が批判

 知識経済部(省に相当)の崔重卿(チェ・ジュンギョン)長官は23日、自動車業界との懇談会後、
 「ユソン企業のストライキが一日も早く解決されるように、速やかに政府レベルでの対策を立てたい」
と述べる一方、
 「年収が7000万ウォン(約524万円)を超える会社の労組員がストライキを行い、(工場を)不法占拠することに国民は納得できるのか」
と疑問を投げかけた。

 崔長官は
 「労組が主張する日中連続2交代制と月給制は、完成車メーカーでも実施していない。
 部品メーカーだけが実施できる制度ではなく、完成車業界も部品業界でも無理だとみている」
と指摘した。

 崔長官はまた、部品メーカー1社のストライキが自動車業界全体に波及するのは、自動車産業の構造的問題ではないかとの質問に対し、
 「一朝一夕で修正できる問題ではない。
 1カ所に過度に依存する点は見直すべきだと思う」
と述べた。



記事入力 : 2011/05/24 14:40:37
http://www.chosunonline.com/news/20110524000073

韓国車生産危機:シェア80%のユソン企業、3期連続赤字
労組に振り回される経営



 自動車部品メーカーのユソン企業がただ1社、ストライキに入っただけにもかかわらず、韓国の完成車メーカー5社の主要モデルの生産ラインが操業ストップの危機に直面した。
 それはユソン企業が生産する自動車エンジン用のピストンリングで国内シェアが70-80%を握る独占メーカーに近い存在だからだ。

 しかし、独占企業であっても過去数年にわたり赤字経営だ。
 ユソン企業は2008年から3期連続で営業赤字を出した。
 赤字額は2008年が30億ウォン(約2億2400万円)、09年が149億ウォン(約11億 1400万円)、10年が48億ウォン(約3億5900万円)だ。

 同社には構造的問題がある。
 ピストンリングを生産する牙山工場(忠清南道)では、従業員412人のうち生産職が78%(323人)を占める。
 シリンダーライナーを生産する永同工場(忠清北道)も同様だ。
 全体の80%に達する生産職労組員は、毎年ストライキで賃上げ要求を貫徹してきた。

 会社側の主張によれば、ユソン企業の生産職の賃金は、最近4年で毎年9%引き上げられた。
 今年5月現在で、生産職の平均年俸は7015万ウォン(約525万円)で、管理職の平均6191万ウォン(約463万円)を800万ウォン上回った。
 ユソン企業労組は昨年6月、臨時団体交渉の期間、4日間に 4時間ずつの部分ストライキを実施し、9%の賃上げ要求を通した。
 最近数年間の営業赤字の背景には、現実離れした労組への迎合があった。

 赤字を出してでも操業を続けなければならない理由はほかにもある。
 ユソン企業は1次下請け企業だが、ストライキなどで部品を正常に供給できなければ、1時間当たり18億ウォン(約1億3500万円)の損害賠償に応じなければならない立場にある。
 納品が遅れる兆しが見えると、完成車メーカーの調達担当者から
 「ストライキを早期に収拾し、納期を守れ」
と圧力がかかる。

 しかし、これ以上要求には応じられないというのが会社側の立場だ。
 ユソン企業の柳時英(ユ・シヨン)社長は
 「労組の日中2交代制実施要求は、仕事を25%減らし、賃金は現状を維持しろというもので、会社はつぶれてしまう」
と話した。
 会社側の姿勢は強硬で、労組側も交渉に応じる可能性は低い。
 労組側は
 「会社側が職場閉鎖を先に撤回しない限り、会社側との交渉には応じない」
との立場を示した。



記事入力 : 2011/05/24 14:41:59
http://www.chosunonline.com/news/20110524000076

【社説】わずか75円の部品でストップした自動車産業

 自動車エンジン部品のピストンリングを生産するユソン企業の労組が18日から工場を占拠し、ストライキに突入した。
 これにより、20日から起亜自動車のミニバン「カーニバル」のディーゼル仕様車の生産ラインがストップし、現代・起亜自動車の他の車種の生産にも影響が出始めている。
 ユソン企業のストライキが解決しなければ、韓国GM、ルノーサムスン、双竜自動車も今月末から一部車種の生産ラインが連鎖的に操業を中断する見通しだ。

 ピストンリングは単価が1000-2000ウォン(約 75-150円)にすぎない小さな部品だが、エンジンを動かすためには必要不可欠だ。




 ピストンリングを生産するには高度な技術力が必要で、韓国ではユソン企業を含め2社しかメーカーがない。
 現代・起亜自はピストンリングの70%をユソン企業から調達しており、ほかの自動車メーカーも20-50%をユソン企業に頼っている。

 主要部品の生産を1-2社に依存し、代替策を準備していなかったのは、自動車業界の構造的な問題だ。
 大地震後の日本でも、数種類の部品の調達が遅れ、自動車メーカーの生産ラインがストップした。
 現代・起亜自が世界市場でさらに躍進するためには、部品調達システムの抜本的な見直しが必要だ。

 また、下請け企業の管理方式についても見直していかなければならない。
 現代自動車はユソン企業に発注を集中させる代わりに、契約を履行できなかった場合には、発注額の数倍の損害賠償金を請求できることになっており、労使紛争の兆しが見えるたびに、現代自は無条件で早期妥結を求めてきた。
 このため、ユソン企業は賠償金支払いを恐れ、従業員の賃金を大幅に引き上げ、労組の無理な要求を聞き入れざるを得なかった。
 こうした中、2009年の労使交渉では、労働時間を短縮しても、賃金を据え置くという内容の労使合意があったが、それを会社側が守らなかったことから今回のストライキに発展したのだ。

 全国民主労働組合総連盟(民主労総)など労働界がユソン企業のストライキを契機として、主要産業で重要部品を生産する企業を集中攻略するのではないかとの見方も出ている。
 ゼネストを呼び掛けても失敗するケースが多く、むしろ重要部品メーカーでストライキを起こすのが効果的だという点に気付いたからだ。
 政府と自動車業界は、業界まひを狙った今回のようなストライキを防ぐためにも、ユソン企業の事態に対し法律と原則に基づき対応する一方、補完策を模索する必要がある。



記事入力 : 2011/05/23 11:16:26
http://www.chosunonline.com/news/20110523000042

単価75円の部品のため韓国自動車業界に危機迫る
ピストンリング業者でスト

 エンジンのシリンダーに使われるピストンリングを生産する部品メーカー、ユソン企業(忠清南道牙山市)で労組が職場を占拠してのストライキを決行し、生産が全面的に中断したことから、韓国自動車業界は対応に追われている。
 単価わずか1000ウォン(約75円)のピストンリングは、エンジン内部での爆発過程で圧力が外に漏れないようにすると同時に、ピストンとシリンダーの摩擦を軽減する役割を果たす部品だ。

 最も被害が大きいのは、韓国の自動車業界首位で、世界でも販売を急速に伸ばしている現代・起亜自動車だ。
 同社はピストンリングの70%をユソン企業から調達している。
 このため、ストライキが長期化した場合、主要車種の生産が中断しかねない。
 現代・起亜自は今年4月に29万台を生産したが、ユソン企業のストライキが6月まで続けば、同月だけで20万-30万台の生産に影響が出ると予想している。

 現代・起亜自の関係者は
 「ピストンリング業者はほかにもあることはあるが、供給を増やす余力が全くない。
 海外から調達するにも3-4カ月以上かかるため、ユソン企業の操業が正常化するのを待つしかない」
と話した。

 問題はユソン企業のストライキによる影響が、自動車メーカーの生産中断だけにとどまらないことだ。
 完成車メーカーの生産ラインが止まれば、各社に納品している約3000社の下請け企業も連鎖的に生産中断に入り、年間売上高81兆ウォン(約6兆1000億円)の自動車産業の労働者約30万人に影響が避けられない点だ。

 韓国産業研究院によると、約3000社の下請け企業のうち、優良部品メーカーは77社にすぎず、残りは大半が中小企業が占めるため、現代・起亜自など完成車メーカーによる生産が中断すれば、下請け企業の深刻な経営難が懸念される。

 自動車部品メーカー1社のストライキによる余波がこれほど大きいのは、ユソン企業の、ピストンリング、シリンダーライナー、カムシャフトなどエンジン部品生産に占める役割の大きさが、背景にある。
 ユソン企業は1959年設立で、ピストンリングの韓国国内シェアは80%に達する。
 現代・起亜自と韓国 GMがピストンリングの70%をユソン企業に依存しておりほか、ルノーサムスンも「SM5 2.0」モデルに使われるカムシャフトの全量をユソン企業に頼っている。

 現代・起亜自の関係者は
 「ピストンリングをグループ内の垂直分業に組み込まず、下請け企業から調達しているのは、単価があまりに安いためだ」
と説明した。
 参入したところで採算が取れないのだ。
 その上、ユソン企業はピストンリングで高い技術力を持ち、他社の参入も容易ではない。

 ユソン企業は技術力を背景として、米クライスラーなど全世界約40カ国にピストンリングなどを輸出している。
 また、中国には韓中日で合弁会社を設立し、北京現代汽車や東風悦達起亜汽車にピストンリングを供給している。

 ユソン企業の1日当たりの売り上げは約5億ウォン(約3800万円)。
 しかし、生産中断による損失は、売上高だけにとどまらない。
 同社は現代・起亜自をはじめ、韓国国内の完成車メーカーの大半に部品供給を行っており、契約不履行(納品中断)による損害賠償金の支払いを求められることもあり得る。
 関係者は
 「納品が完全にストップした場合、契約上は損害賠償額が1時間当たり約18億ウォン(約1億3600万円)になる」
と説明した。

 単価の安い小さなエンジン部品のメーカーで起きたストライキのせいで、躍進する韓国の自動車産業に急ブレーキがかかることに各社は落胆している。
 日本の大地震による影響を受けなかった韓国の自動車メーカーは、3月から5月にかけ、販売を大幅に伸ばし、世界市場でシェアを拡大してきたからだ。
 特に年間650万-700万台を生産し、世界3位の自動車メーカーになるという現代・起亜自の計画は水泡に帰することもあり得る状況だ。

 現代・起亜自はこれまで、ユソン企業から必要な分だけ、随時ピストンリングの供給を受けてきた。
 今回のストライキでは、サプライチェーンが断たれ、全ての自動車メーカーの生産ラインが止まりかねない状況に追い込まれた。
 ユソン企業の労使交渉が早期に再開され、操業が正常化すること願うばかりだ。







【◆ 後日】

 さすが、対応が早かった。
 韓国政府は利口だ。


記事入力 : 2011/05/25 11:02:37
http://www.chosunonline.com/news/20110525000042

韓国車生産危機:ユソン企業スト、警察が強制排除
現代自の被害16億円



 24日午後5時、忠清南道牙山市屯浦面にある自動車部品メーカー、ユソン企業牙山工場前では、労組員約200人が腕を組んで横たわり、スローガンを叫んでいた。
 労組員とにらみ合っていた警察官は、工場を占拠していた労組員を一人ずつ順に連行した。
 正門前でそれを見守っていたユソン企業の部長は
 「労組員らの年俸は私より多い。
 7000万ウォン(約525万円)もらっている人があんなふうに地面に横たわるなど到底理解できない」
と話した。

 労組員約500人は、同日午後4時から始まった警察の強制排除に大きな抵抗なく応じ、午後6時ごろには排除が完了した。

 警察関係者は
 「双竜自動車のスト以降、暴力的な違法ストは許さないという警察の態度に加え、強硬な労組に冷たい社会のムードがあるため、違法ストや暴力的な抵抗はほとんどなくなったようだ」
と話した。
 双竜自労組は2009年、平沢工場(京畿道)を77日間占拠し、ストを解散させようとする警察や管理職に向かって金属球を発射するなど激しく抵抗した末、強制的に解散させられた。
 ユソン企業ではそういう事態は起きなかった。
 しかし、単価 1000-2000ウォン(約75-150円)のピストンリングが、世界5位の規模を誇る韓国の自動車業界を身動きが取れない状況に追い込む、恐るべき威力を発揮した。

 同日午前時点で、小型トラック「ポーター」を生産する現代自動車蔚山第4工場の生産ラインは稼働率が10%台に低下した。
 ピストンリングの供給が中断し、ポーターに搭載するエンジンの生産ができなくなったためだ。
 隣接する乗用車用ステンレス工場では、従業員が退屈そうに雑談しながら、まばらにコンベヤーで流れてくる部品を組み立てる姿がみられた。
 起亜自動車所下里工場では、ミニバン「カーニバル」の生産ラインが完全にストップした。

 現代・起亜自動車は、一部車種のエンジンに使われるピストンリングの在庫がなくなり、20日から24日まで、986台の生産ができなかった。
 生産障害による被害額は216億ウォン(約16億2000万円)に達した。
 しかし、被害はそれだけではない。
 ユソン企業のストライキによる被害が報じられると、現代・起亜自の株式は23日だけで時価総額が4兆2192億ウォン(約3160億円)も吹っ飛んだ。
 さらに、世界市場で販売量を急速に伸ばし、世界の「ビッグ5」に数えられる現代・起亜自の部品調達面での弱点が露呈し、韓国の自動車産業の競争力は大きな打撃を受けた。

 ユソン企業牙山工場は24日夜までかけて、管理職やストに参加しなかった一部労組員が生産設備を整備した。
 イ・ギボン牙山工場長は「徹夜してでも生産ラインをチェックし、25日からは管理職を投入して生産を再開する」と説明した。
 しかし、完成車メーカーが正常に操業を再開するまでには、数日間を要する見通しだ。
 不足分の供給を一度に受けることはできないためだ。
 現代・起亜自は、ポーターとカーニバルの生産ラインが29日から正常に操業できると説明した。

 問題は、今回のような事態が再発しかねないことだ。
 ユソン企業のように特定部品を70%以上のシェアで供給する企業は10社余りある。
 完成車メーカーが需要量の50%以上を依存するメーカーは180社以上に上る。

 自動車業界は、独占的な地位にある部品メーカーのうち、多くの企業にユソン企業と同様、全国民主労働組合総連盟(民主労総)系の全国金属労働組合(金属労組)に属する労組があることを懸念している。
 金属労組系の完成車メーカー、部品メーカーの労組は数年前からユソン企業労組のように、「日中2交代勤務」と月給制の導入を主張し、会社側に圧力をかけてきた。

 韓国自動車工業協会のカン・チョルグ理事は
 「重要部品一つの供給中断で自動車産業全体がストップする事態を防ぐためには、自動車業界が部品の調達先を多角化する戦略が必要だ」
と訴えた。






 <future design> 



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