2011年5月23日月曜日

国家公務員給与5~10%下げ、連合系労組が受け入れ

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● google画像より



 すごいことが起こった。
 国家公務員が給与の引き下げに応じたのだ。
 公務員がですよ!
 みなさんはあたりまえのように思うかもしれないが、私には青天霹靂。
 こういうことがあるのですね。
 津波と同じで「想定外」でした。
 ということは、政府はあっさりと
 公務員給与引き下げの前例を手に入れた

ことになる。
 こうなると、政府は自由自在に公務員をコントロールできる立場になる。
 理屈はどうであれ、過去の公労協の姿を知っている者にとって公共労組がいとも簡単に受け入れるとは
 信じられない
というのが感想。


日経新聞 2011/5/23 19:26
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0E1E2E0908DE0E1E2E7E0E2E3E39F9FEAE2E2E2

国家公務員給与5~10%下げ、連合系労組が受け入れ

 国家公務員の給与引き下げについて政府と連合系の公務員労働組合は23日、2013年度末まで月給を役職に応じて5~10%、ボーナスなどを一律10%減額することで合意した。
 一部労組は反対の姿勢を崩していないが、政府は今回の合意案を基に給与引き下げのための特例法案を来月3日にも国会に提出する。

 公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)幹部は23日の片山善博総務相との会談で
 「震災の復興財源に充てるならやむを得ない」
と受け入れを表明した。
 合意内容は月給を若手の係員5%、係長・課長補佐級8%、課長級以上10%減額。管理職手当や期末・勤勉手当(ボーナス)は一律10%削るというもの。特例法案が成立した翌月から適用する。

 民主党は2009年衆院選マニフェスト(政権公約)で国家公務員総人件費を13年度までに2割減らすと掲げた。
 今回の下げ幅は目標の8%程度にしか相当しない。
 労組側は大震災による業務増加を踏まえて定員削減に反対しており、目標達成の道筋はみえない。

 政府は引き下げに反対している日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)との交渉を今後も続ける。
 合意が得られなくても法案提出に踏み切る。
 人事院勧告制度を無視して一部労組との交渉で給与を決める異例の対応だ。




asahi.com 2011年5月23日19時34分
http://www.asahi.com/politics/update/0523/TKY201105230376.html

国家公務員給与削減、連合系労組が合意 5~10%案に

 東日本大震災の復興財源を確保するため、菅政権と連合系の公務員労働組合連絡会(連絡会)は23日、国家公務員給与の削減幅について合意した。
 今年度から3年間、
 ▽ 課長以上の幹部を10%
 ▽ 課長補佐・係長を8%
 ▽ 係員を5%、
それぞれ削減する。
 ▽ ボーナスは一律10%
減らす。

 菅政権は当初一律10%減により3千億~4千億円の確保を目指した。
 片山善博総務相と連絡会が同日協議し、政権側が譲歩した。
 政権は労働基本権を拡大する国家公務員制度改革関連法案とともに、削減のための給与法改正案を6月3日に閣議決定したい考え。




毎日.jp 毎日新聞 2011年5月23日 21時23分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110524k0000m010128000c.html

国家公務員給与:引き下げ合意、地方公務員に波及も

 一般職の国家公務員給与引き下げについて政府と連合系の公務員労働組合連絡会(連絡会)が23日合意したことで、交渉による給与引き下げが進むことになった。
 だが、地方公務員の給与引き下げなどで政府内に意見の違いがあるなど、政府が乗り越える課題は多い。

 「財務、文部科学、総務3大臣の合意文書がほしい」。
 連絡会は13日の初交渉で片山善博総務相にこう要望した。
 地方公務員給与の見直しはこれまで、国家公務員給与をベースに算定され、地方交付税と義務教育国庫負担金が見直されてきたことを懸念したためだ。
 片山氏は20日の記者会見で
 「国がやったから自治体も下げろなんて全くの愚策」
と波及を否定した。

 連絡会は片山氏が交渉で
 「政府を代表して(回答する)」
と発言したことで合意に踏み切ったが、野田佳彦財務相は会見で
 「今までのルールに基づき、その時期に適切に対応する」
と引き下げを否定しなかった。

 給与の引き下げと国家公務員制度改革関連法案の同時成立もおぼつかない。
 片山氏は23日の合意後、
 「同時に決着がつくよう最大限の努力をしたい」
と述べた。
 だが、野党が多数を占めるねじれ国会で、連絡会も
 「(同時成立の)不透明さはたぶんにあると思う」
と認める。
 「政府は(同時成立の)出口までやるとの見解を示した」(連絡会)
との理由で合意したものの、今国会の会期末は6月22日に迫っており、政府内からも「会期延長がなければ成立は難しいだろう」との声もある。

 民主党は09年衆院選マニフェストで国家公務員総人件費2割削減を掲げたほか、菅直人首相が10年9月の党代表選で
 「人勧を超えた削減を目指す」
と公約した。
 しかし、10年度は人勧通りの削減にとどまっていた。




JCASTニュース 2011/5/23 19:33
http://www.j-cast.com/2011/05/23096314.html?p=1

 公務員給与の引き下げが計画される中、国家公務員の労働組合「国家公務員一般労働組合」のブログ「すくらむ」が怪しい主張をしている。
 統計データをもとに、国会公務員の方が民間より給与水準が低いとし、さらに、みんなの党などの公務員給与の引き下げを求める動きについて、
 「比較できない中身の違う調査をもってくること自体が間違っている」
と批判している。

ところが、当の組合側のブログの資料の引用の仕方に不自然な部分があり、主張の妥当性に疑問が出ている。

■ラスパイレス比較という項目は無視?

ブログでは、2011年5月19日、
 「国家公務員は民間より給与が低い上に一人当たりの仕事の負荷が世界で最も大きい」
と題して、国家公務員と民間の正規労働者の年間給与を比較した表を掲載した。

表によると、国家公務員25歳の年間給与285万2000円に対して民間労働者20~24歳は291万5700円。
 国家公務員50歳は715万4000円なのに対して、民間労働者は45~49歳で813万4800円だ。

この表の出典は、国家公務員の給与が「人事院月報」10年9月号なのに対して、民間の給与は厚生労働省の「賃金センサス-平成21年賃金構造基本統計調査」。
 「人事院月報」のデータには残業代が含まれているが、「賃金センサス」のデータには含まれていないとされる。

ブログでは「年齢区分が違いますが」と断りながらも、
「すべての年齢層において、国家公務員の方が民間労働者より低い年間給与になっています」
と結論づけている。

だが、この資料の引用の仕方をめぐり、問題を指摘する声も出そうだ。
 実は、国家公務員の給与を引用した「人事院月報」10年9月号は、「人事院勧告特集号」。
 この時の勧告は、公務員の年間給与を平均で9.4万円(1.5%)引き下げることを骨子としたものだ。

ブログで示された国会公務員給与のデータは、勧告の中の「給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント」と題した付属資料の「国家公務員(行政職(一)及び指定職)モデル給与例」という項目(111ページ)から引用されている。
 だが、実はその3ページ前の108ページには、「民間給与との比較方法(ラスパイレス比較)」という項目がある。
 それによると、公務員の給与は民間よりも月給ベースで757円(0.19%)多いとされている。
また、勧告では、民間のボーナスの支給割合が3.97か月分なのに対して、公務員は4.15か月分だとも指摘している。

■ 「執行委員がそれぞれの考えを自由に発信している場」

ブログでは、
「国税庁の『民間給与実態統計調査』の結果をもって、公務員の給与が法外に高いなどと主張していますが、国税庁の調査は、パートやアルバイトなど非正規雇用の労働者も含まれた調査ですので、とても低い数字となります。
 比較できない中身の違う調査をもってくること自体が間違っているのです」
と、データの不適切な引用を理由に、公務員の給与の引き下げを主張している勢力を批判している。
 その一方で、人事院勧告で示された公務員と民間との給与格差についての言及はない。

J-CASTニュースでは、

「民間と国家公務員の給与を比較する上で、『人事院月報』に示されている理由付けよりも、厚生労働省の『賃金センサス』の方が比較対象として優れていると判断した理由」
についての説明を求めたところ、「すくらむ」担当者は、
「問題意識が、みんなの党などが持ち出してくるパート・アルバイトなど非正規雇用労働者を含む国税庁の『民間給与実態統計調査』にありましたので、それなら全産業の正規雇用労働者を網羅している厚生労働省の調査と比較したらどうなるのかなと思って比較してみただけです」
と釈明。
 ブログの位置づけについても、
「執行委員がそれぞれの考えを自由に発信している場ですので御了承ください」
と、組合としての公式見解ではないことを強調した。





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