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● 「韓・中・日 新経済大戦」より
テレビがパソコンになるか、あるいはパソコンがテレビになるか、ということであろう。
そのためには、デジタル化が大前提。
済々とデジタル化を進めないと、取り返しのつかないことになる。
そのうち、youtube を使って、「テレビ個人放送」ができるようになる。
たとえば、「野原新之助放送局」とか、「亀有駅前公園テレビ」なんていったものがあちこちに、というよりブログサイトの数だけできる、ということである。
誰でもがお気軽にテレビ局を開設できる時代がすぐそばにまで来ているということである。
そういえば昨年、「エボルタ放送局」がインターネットで
「エボルタ、東海道五十三次」
を生放送していた。
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朝鮮日報 : 2011/02/04 09:08:08
http://www.chosunonline.com/news/20110204000006
テレビ市場:世界首位のサムスン、中国では9位
韓国は1966年に日本からの技術導入で、テレビ産業に初めて進出した。
そして、43年間にわたる追撃の末、2009年に日本を追い抜くことに成功した。
韓国のテレビ業界は一昨年、世界シェア38%を獲得し、日本(35%)を上回った。
サムスン経済研究所が本紙と共同で実施した「韓中日3カ国の産業経済分析」によると、韓国のテレビ産業は世界首位に立ってわずか1年で、3カ月の技術時差で韓国を追う中国や、新たな概念のテレビで既存市場の再編を進め、反撃を試みる日本による挑戦に直面していることが分かった。
中国では今年、液晶テレビ市場が4550万台まで拡大し、米国を抜き、世界最大の市場となる見通しだ。
しかし、中国市場でサムスン電子とLG電子はそれぞれ9位、10位に甘んじている。
海信(ハイセンス)、創維(スカイワース)、TCL、康佳(コンカ)、長虹など中国勢が1-5位を占めている。
日本企業はインターネットテレビ、眼鏡なしで楽しめる三次元(3D)テレビで韓国企業にプレッシャーをかけている。
サムスン経済研究所のチャン・ソンウォン首席研究員は、
「テレビ市場で技術(日本有利)と価格(中国有利)という二兎(にと)を捕まえなければ、世界首位からいつでも陥落し得る」
と指摘した。
』
『
朝鮮日報 : 2011/02/04 09:09:34
http://www.chosunonline.com/news/20110204000007
テレビ市場:消長激しい業界の歴史
70年余りのテレビの歴史で、事業を断念したり、企業自体が消滅したりした例は数多い。
それほどテレビは競争が激しい分野だ。
代表的な例は、1940-60年代に世界のテレビ産業をリードした米RCAだ。
同社は米国のテレビ放送規格審議委員会が制定したカラーテレビ放送方式のNTSC方式を標準化し、フィルコ、ゼニス、CBSなどの競合企業に勝利、業界最大手に浮上した。
当時RCAは世界の家電最大手だった。
しかし、RCAはソニーがトリニトロンという新方式のブラウン管テレビを開発したことで、一気に没落の道をたどり、1986年にゼネラル・エレクトリック(GE)に売却された。
GEもやがて事業を存続できなくなり、テレビ部門をフランスのトムソンに売却した。
トムソンも2004年に中国のTCLに事業譲渡した。
歴史を振り返ると、結局は中国企業がテレビ界の草分けであるRCAのオーナーになった形だ。
モトローラも一時、米テレビ市場で7位まで浮上したが、1974年に松下電器産業(現パナソニック)にテレビ事業を売却した。
米ゼニスは韓国の LG電子に買収された。
ソニーなど日本メーカーがテレビ産業の覇権を握っていた時期、米国だけでなく、グルンディッヒやシュナイダーといった欧州勢も没落した。
シュナイダーは2002年にTCLに買収された。
今世紀に入り、ブラウン管テレビから液晶テレビへとシフトが進み、ウェスティングハウス、デル、ヒューレット・パッカード(HP)、エプソンなどがテレビ市場に新規参入した。
しかし、新規参入組の多くは、市場や技術の変化についていけず、成功を収めることができなかった。
』
『
朝鮮日報 : 2011/02/04 09:03:56
http://www.chosunonline.com/news/20110204000003
日本はスマートTVで反撃、中国は3D市場を狙う
昨年9月2日、欧州最大の家電見本市「IFA2010」がドイツ・ベルリンの総合展示場で開催された。
正門の入り口に通じる道路の両側には、世界1位、2位のテレビメーカー、サムスン電子とLG電子の旗が掲げられていた。
展示場では、世界のテレビ市場で韓中日3カ国のメーカーが勢力争いを繰り広げる様子が再現されていた。
サムスン電子とLG電子は展示場で最も人目に付く第20展示館と第11展示館を占領していた。
サムスン電子館の面積は7365平方メートルで、参加メーカーの中で最も規模が大きかった。
LG電子館も4300平方メートルで、3番目の規模だった。
ソニー、パナソニック、シャープなど日本メーカーも比較的好位置に広いスペースを確保していた。
ソニー館は6000平方メートルと2番目の規模で、それ以外の日本メーカーもLG電子に比べやや小さい程度だった。
サムスン電子館から100メートルほど離れた第25展示館には、中国メーカーが集まっていた。
ハイアールと長虹のブースはそれぞれ300平方メートルほどだった。
主催者側の関係者は、
「展示場の配置を見ると、韓国メーカーが現在の世界のテレビ市場で最も高いシェアを占めていることが分かる」
と述べた。
■ソニー、サムスンとLGに覇権を奪われる
テレビは家電製品の代表格だ。
現代の家電産業におけるハイテク技術はテレビに集約されている。
半導体やディスプレー、音響などの先端技術が数千種類の部品に詰め込まれているのだ。
そのためパナソニックの中村会長は、「テレビがなければ、家電メーカーは存在できない」と語る。
韓国はテレビ市場で、「技術の日本」を抑えてトップを走っている。
韓国のテレビ産業が成功した要因は、技術の流れがアナログからデジタルに移行する時期、デジタルに集中的な投資を行って勝負をかけたからだ。
アナログでは絶対的な強者だったソニーが、ブラウン管テレビを放棄できず立ち止まっている間に、サムスン電子は600人以上の研究者を投入し、「デジタルテレビ・プロジェクト」を推進した。
その結果、1500件以上の特許を取得し、1998年に世界で初めてデジタルテレビの開発に成功した。
テレビ市場は大きく進化している。
2002年にはブラウン管テレビ(アナログ)と液晶テレビ(デジタル)の割合は70対30だったが、3年後の05年にはそれが26対74に逆転した。
サムスン電子は06年にソニーを抑え、初めてテレビで世界シェアトップとなり、09年にはメーカーの国別シェアで韓国が日本を抑えて世界トップに躍り出た。
■中国のテレビメーカー、3カ月差で韓国を追撃
しかし、韓国のテレビ産業が占める世界一の座は不動のものかといえば、決してそうではない。
1位に浮上してわずか1年後、すでにあちこちから強力な挑戦状を叩き付けれている。
まずは中国だ。
昨年9月初めに北京の酒仙橋近くにある大型家電量販店を訪れると、テレビ売り場には20以上のメーカーの製品が並んでいた。
サムスン電子のコーナーに展示されていたのは、主力商品である40型の3D発光ダイオード(LED)テレビで、昨年3月にサムスン電子が世界で初めて市場に投入したものだ。
同じ階にある中国メーカー、ハイセンスの主力製品も40型台の3D・LEDで、昨年6月からこの商品を販売している。
世界トップメーカーのサムスン電子も、中国メーカーとわずか3カ月の差で、厳しい競争に直面しているのだ。
中国メーカーの強みは、韓国メーカーでは到底実現不可能な原価の安さだ。
この売り場で、サムスン製46型LEDテレビは1万3499人民元(約 17万円)で販売されていたのに対し、中国メーカーのTCLは、同サイズのテレビが9799人民元(約12万円)と、価格差は約5万円もある。
販売員は、
「品質の差は多少あるが、価格差が大きいため、サムスンの製品よりも中国製品の方がはるかによく売れる」
と語った。
そのため、中国のテレビ市場では上位5位までをハイセンス、スカイワース、TCLなど中国メーカーが占めている。
サムスン電子とLG電子のシェアはそれぞれ4.5%、4.2%で、9位と10位だ。
この流れが今後も続けば、今年は中国に世界最大の液晶テレビ市場を奪われる可能性もある。
世界最大の市場で1位になれなければ、世界1位の座を堅持するのも当然危ぶまれるだろう。
■日本はスマートテレビで復活を狙う
日本メーカーは別の面で、韓国メーカーにとって脅威となっている。
テレビ市場のパラダイムを変え、勢力図そのものを作り替えようとしているのだ。
昨年9月開催されたIFAでも、その動きが垣間見れた。
ソニーはグーグルと手を組み、「スマートテレビ」という新たな分野へと意欲的に進出している。
ソニーのストリンガー会長は、
「テレビの使い方に大きな変革をもたらす、世界初のインターネットテレビになるだろう」
と豪語した。
韓国に押され気味の日本は、テレビ本体などのハードウエアではなく、コンテンツを新たな武器にするという戦略に乗り出しているのだ。
日本は技術力で韓国メーカーを抑え込もうとしているのだ。
産業研究院のイ・ギョンスク研究員は、
「韓国はスマートフォン市場でiPhone(アイフォーン)に先を越されたため、テレビ市場ではその二の舞にならないように、ハードウエア技術だけでなく、テレビ用のコンテンツといったソフトウエア分野への集中的な投資も必要だ」
と述べた。
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朝鮮日報 : 2011/02/04 09:10:50
http://www.chosunonline.com/news/20110204000008
スマートテレビ市場の勝者が次世代の覇権を握る
サムスン経済研究所 チャン・ソンウォン首席研究員
今後のテレビ市場を左右する最大の要素はスマートテレビだ。
スマートテレビ市場で勝利した企業が、テレビ市場全体の主導権を握ることになりそうだ。
スマートテレビとは、パソコンのような基本ソフト(OS)を搭載したテレビで、インターネットに接続でき、スマートフォン(多機能携帯電話端末)のようにユーザーが好きなアプリケーションをダウンロードすることができる、次世代のマルチメディア機器だ。
このため、製品本体よりもテレビコンテンツに成敗が懸かっている。
消費者はテレビ画面でインターネット検索を行ったり、最新映画を有料でダウンロードして楽しんだりできる。
優秀なソフトウエア、コンテンツ、アプリケーションが融合してこそ、スマートテレビ界で勝利できる。
これまでテレビ産業で平面化、大型化、高画質といったハードウエアの性能が成功要因として強調されてきたのとは大きな違いだ。
アナログからデジタルへの転換でテレビ産業に大きな変化が訪れたように、スマートテレビはテレビ産業を根底から変えると言われるのはそのためだ。
テレビ産業のライバルとしても、新顔が登場している。
アップルとグーグルは、自社のソフトウエアを基盤として、映画、音楽、電子ブックなど豊富なコンテンツやアプリケーションを活用できるスマートテレビ事業に参入した。
スマートテレビ業界をインターネット企業のアップル、グーグルがけん引することになれば、既存のテレビメーカーは主導権を失う可能性がある。
サムスン電子やLG電子がアップル、グーグルと競争するためには、創意的なソフトウエア開発人材の育成に投資を増やし、多彩なコンテンツを確保することに注力すべきだ。
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<future design>
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