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● 朝鮮日報「【特別企画】韓・中・日 新経済大戦」より
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朝鮮日報 : 2011/02/03 10:07:10
http://www.chosunonline.com/news/20110203000014
バイオ・製薬産業、韓国と日中の格差拡大
昨年9月、中国上海市の浦東地区中心部にある面積1256万平方メートルの建設用地で、アジアの医療・臨床市場を狙った国際医学園の区画整備が始まった。
医療機器世界最大手の独シーメンス、臨床研究企業の米コバンスが既に進出を決めている。
現地では日本、米国、ドイツ、シンガポールからやって来た病院関係者たちがあちこちを視察し、病院建設候補地を探っていた。
中国政府と上海市は、同特区に1兆2000億ウォン(約880億円)の資金を投入している。
中国北京市にある北京天壇普華医院で、古びた建物の中に入ると、肌の色が異なる人々が行き交っていた。
欧米、アジア、南米などから治療のためにやって来た難病患者たちだ。
60代の米国人末期がん患者は「あらゆる方法を施したが、治療に失敗したため、ここにやって来た」と話した。
この病院では、幹細胞を使った治療や臨床試験が世界で最も多く行われている。
幹細胞は韓国が中国よりも先に開発を進めた分野だ。
しかし、中国政府は一昨年1年間に韓国の5倍を超える約1840億ウォン(約135億円)もの集中投資を行った。
バイオ業界の関係者は、
「中国が基礎研究を商業化するスピードはあまりに速く、衝撃的だ」
と話した。
■遺伝子治療剤、日米に先駆け商業化
世界の製薬市場の規模は8370億ドル(約69兆8000億円)に達し、メモリー半導体市場の441億ドル(約3兆7000億円)の19倍に匹敵する規模だ。
売上高ベースで世界1位の高脂血症治療剤「リピトール」(ファイザー製薬)は、年間136億ドル(約1兆1300億円)の売り上げを誇る。
これは、現代自動車のアバンテ130万台に相当する金額だ。
中国のバイオ・製薬市場は、過去3年間に年平均27%という驚くべき成長を遂げ、一昨年には、製薬大国ドイツを抜き、世界4位の製薬市場に浮上した。
中国1位のハルビン製薬集団は、世界上位50社入りを果たした。
ちなみに、韓国の製薬メーカーは1社も含まれていない。
ならば、中国は規模だけを追求しているのかといえば、決してそうではない。
2003年10月に中国のバイオ企業、深セン賽百諾基因技術(Sibiono)は、世界初の遺伝子治療薬となる頭けい部がん治療薬「ゲンディシン」の商業化に成功した。
日米より3-5年早い成果だ。
当時、このニュースに最も衝撃を受けたのは日本だった。
米国は約20件の臨床試験を経て、商業化目前の段階だったが、日本はまだ基礎研究の段階にとどまっていた。
奈良県立医科大学の大西武雄教授は、「日本では遺伝子治療薬といった先端医薬品の臨床試験など夢にも描けない状況だったが、中国は既に製品化を成し遂げた」と驚きを隠せなかった。
■日本、市場規模と研究能力では世界2位
世界から厳しい挑戦を受けているものの、日本は米国に次ぐ世界2位の製薬大国だ。
ノーベル賞を受賞した基礎研究能力、特許、論文数などの分野で2位の座を明け渡したことはない。
世界の製薬上位50社のうち9社が日本企業だ。
日本の実力を考えれば、バイオ・製薬分野で中国に対する警戒は大したことではない。
ただし、韓国の立場は全く異なる。
韓国の製薬会社は中国、日本の地位と比較にならないほど小規模だ。
韓国最大手の東亜製薬は年商8000億ウォン(約590億円)だが、これは日本の最大手、武田薬品工業の17分の1 にすぎない。
中国最大手のハルビン製薬集団も、東亜製薬の2倍以上の売り上げを記録している。
その上、最低1億ドル(約83億円)の費用を5-10年で投資しなければならない新薬開発に耐え得る韓国企業は1社もない。
韓国はジェネリック医薬品(後発医薬品)の分野でも中国に追い抜かれる危機に直面している。
中国の浙江華海薬業は2007年7月、米食品医薬品局(FDA)からジェネリック医薬品の販売認可を受け、米国市場に進出した。
ジェネリック医薬品は、韓国のほぼ全てのバイオ製薬会社が開発、販売に総力を挙げてきた分野だ。
しかし、これまでに米FDAから販売認可を受けた韓国企業は1社もなく、中国企業が先にその壁を越えたことになる。
中国のこうした成果は、何の努力もなしに成し遂げられたものではない。
投資と研究人材では韓国を圧倒する。
2001年の時点で、中国政府のバイオ・製薬研究の予算は韓国に比べ3倍下回っていた。
だが昨年には韓国が1兆2000億ウォン(約884億円)、中国が5兆5000億ウォン(約4050億円)と逆転した。
毎年中国が輩出する化学、薬学、生命工学の専攻者は、韓国の3倍の7万人に達する。だが、彼らの人件費は韓国の5分の1にすぎない。
サムスン経済研究所のチェ・ジンヨン首席研究員は、
「われわれが3-5年以内に変われなければ、韓国のバイオ・製薬業界は世界競争から永遠に取り残されることになる」
と指摘した。
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朝鮮日報 : 2011/02/03 10:09:40
http://www.chosunonline.com/news/20110203000017
バイオ・製薬分野、後発の中国に抜かれる
世界のバイオ・製薬市場の規模は8370億ドル(約69兆8000億円)。
韓国が世界首位のメモリー半導体市場(441億ドル=約)3兆6600億円)の19倍に達する規模だ。
サムスン経済研究所が本紙と共同で行った「韓中日3カ国の産業競争分析」によると、韓国はバイオ・製薬市場で日本はもちろん、韓国より後発の中国にすら後れを取っていることが分かった。
中国は幹細胞治療の商業化、遺伝子治療剤の開発、ジェネリック医薬品の米国市場進出などですべて韓国をリードしていることが判明した。
現在の韓中日による競争状況からみて、今後はさらに格差が開く可能性が高い。
2006-08年に世界的な科学雑誌に掲載された中国の生命工学優秀論文数は3万 8901本で、2位の「製薬・バイオ大国」日本(4万7799本)を脅かしている。
これに対し、韓国は1万5203本にすぎない。
製薬・バイオ市場は毎年7-8%成長する有望市場だ。
サムスン経済研究所のチェ・ジンヨン首席研究員は、
「韓国のバイオ・製薬業界もジェネリック医薬品の開発だけに頼らず、リスクがあっても新薬開発に果敢に挑戦しなければ、逆転のチャンスは狙えない」
と指摘した。
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朝鮮日報 : 2011/02/03 10:11:38
http://www.chosunonline.com/news/20110203000018
「ジェネリックから新薬開発へ戦略変更を」
サムスン経済研究所チェ・ジンヨン首席研究員
韓国のバイオ・製薬産業は、スウェーデンや日本から成長戦略を学ぶ必要がある。
人口900万人のスウェーデンには、世界トップ10に入るバイオ・製薬大手のアストラゼネカがある。
中小企業だった同社は1960年代後半から20年間にわたり、新薬開発に投資を行った結果、画期的な胃酸分泌抑制剤「オメプラゾール」を開発した。
同社はオメプラゾールで稼ぎ出した資金を再投資し、年商35兆ウォン(2兆5800億円)に達する巨大企業に成長した。
韓国のバイオ・製薬業界もジェネリック医薬品(後発医薬品)中心の戦略を捨て去り、画期的な新薬の開発にチャレンジすべきだ。
ジェネリック医薬品はそうしたチャレンジ過程での安定的な収益源となるため、基盤となる技術を確保するための階段として活用すればよい。
特に細胞治療薬、遺伝子治療薬、幹細胞などバイオ・製薬産業と医療サービスが融合する分野に挑戦する必要がある。
日本のバイオ・製薬業界も1980年代に現在の韓国のような危機を迎えたが、それを成長の機会としてとらえた。
日本の製薬業界は政府の薬価引き下げ政策で成長が頭打ちとなったため、先進国市場に果敢に参入した。
韓国の製薬会社も、まるで井の中のかわずのように国内市場に安住することなく、欧米などの先進市場にチャレンジすべきだ。
改良新薬、バイオシミラーからスタートし、市場を開拓すれば、成功の可能性を高めることができる。
スウェーデンの製薬業界の粘り強さと日本の製薬業界の果敢な投資戦略見直しを、韓国の実情に合わせて参考にすれば、韓国のバイオ・製薬産業も、10年以内に新たな成長産業に浮上できるはずだ。
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● 朝鮮日報「【特別企画】韓・中・日 新経済大戦」より
しかし、思うに笛を吹いても踊ろないだろうな、と。
基礎研究がしっかりしていないとこれからは勝ち抜けない。
景気のいいときに、どのくらい研究にエネルギーを注ぎ込んだかである。
ロシアに打ち上げてもらうロケットを「国産初ロケット」といって慰めているよりは、コツコツとやることのほうが大切なのだが。
そういえば、サムソン電子の会長だったか、
「韓国はパソコン一台、自前では作れない」
と嘆いていたが。
産業がお手軽に利益の出る「組立販売業」に特化してしまったツケが今後出てくるかもしれない。
ちなみに、昨年の韓国の製造業の業績は過去最高だということだ。
がんばってはいるのだが、明日への一歩がみえてこない。
ピークがみえてきている。
これからどうしたらいいのか、そこが見えない。
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朝鮮日報 : 2011/01/29 08:18:45
http://www.chosunonline.com/news/20110129000002
製造業各社、過去最高益ラッシュ
28日に2010年12月期決算を発表した製造業各社は、自動車、化学、鉄鋼、重工業など広い分野で過去最高の業績が相次いだ。
■LG化学、過去最高益
LG化学は、売上高が前年比25.2%増の19兆4714億ウォン(約1兆4390億円)、営業利益が同34.9%増の2兆8304億ウォン(約 2090億円)となり、いずれも過去最高を記録したほか、最終利益も同43.4%増の2兆2067億ウォン(約1630億円)となり、初めて2兆ウォンを突破した。
今年の売上目標は20兆6100億ウォン(約1兆5230億円)に設定した。
同社の金磐石(キム・バンソク)副会長は「太陽電池原料のポリシリコン事業に参入するかどうかは、太陽電池、ウエハー事業などとともにグループレベルで検討を行い、4月までに結論を出したい」と述べた。
■現代自グループ各社も好業績
現代自動車グループの鉄鋼・自動車部門も業績が大幅に改善した。
起亜自動車(国内単独ベース)は、売上高が同26.3%増の23兆2614億ウォン(約1兆7190億円)、営業利益が同46.8%増の1兆6802億ウォン(約1240億円)、最終利益が同55.4%増の2兆2543億ウォン(約 1670億円)だった。
販売台数は国内外合計で同38.9%増の213万台となり、世界の主要自動車メーカーの中で最も高い伸びを示した。
現代製鉄は、第1高炉の操業が早期に安定化したことを追い風に、売上高が同28.0%増の10兆1982億ウォン(約7540億円)、営業利益が同79.5%増の1兆376億ウォン(約770億円)を記録したが、最終利益は同11.9%減の1兆141億ウォン(約750億円)だった。
現代ハイスコも売上高が同32.2%増の5兆8465億ウォン(約4320億円)、営業利益が同81.2%増の2586億ウォン(約190億円)、最終利益が同 265.8%増の1990億ウォン(約150億円)と好調だった。
■KT、固定電話除き全部門増収
KTは売上高が同6.7%増の20兆2335億ウォン(約1兆4950億円)、営業利益が同117.0%増の2兆533億ウォン(約1520億円)だった。固定電話を除く無線(携帯電話)、インターネット、データ、不動産など全分野で売上高が前年を上回った。最終利益は同93.0%増の1兆 1718億ウォン(約870億円)だった。
■斗山インフラコア最高益、韓進海運は黒字転換
斗山インフラコアは、売上高が同62.1%増の4兆3176億ウォン、営業利益が同140.9%増の5427億ウォンでいずれも過去最高を記録した。
建設機械、工作機械など主力事業が業績をけん引した。
最終損益は382億ウォン(約28億円)の黒字に転換した。
韓進海運は売上高が同32.3%増の9兆4233億ウォン(約6960億円)、営業損益は6298億ウォン(約470億円)、最終損益は2753億ウォン(約200億円)でいずれも黒字に転換した。
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朝鮮日報 : 2011/01/28 08:19:28
http://www.chosunonline.com/news/20110128000008
昨年の経常黒字、過去4番目の282億ドル
韓国銀行は27日、昨年の韓国の輸出が過去最高を記録したことを背景として、経常黒字が282億1000億ドルに達したと発表した。
前年に比べ45億 8000万ドル減少したが、過去4番目の黒字幅だった。
これまで最高だったのは、アジア通貨危機で輸入が急減した1998年の426億4000万ドルだった。
世界的な金融危機以降、2年連続で大幅黒字を達成したのは、輸出が大幅に伸びたためだ。
昨年の輸出は過去最高の4643億ドルだった。
輸入も4224億ドルへと大幅に増加したが、輸出の伸びがはるかに大きかった。
このため、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は419億ドルの黒字となり、1998年以降で最高となった。
輸出入がいずれも伸び、大幅な黒字を達成したことで、韓国は輸入減少で黒字幅が拡大する不況型の黒字構造から完全に脱却した。韓銀のイ・ヨンボク国際収支チーム長は「昨年は下半期ほど輸出が改善した。中国経済を中心に世界経済が好転し、半導体、自動車など競争力ある品目の輸出が大きく伸びた」と指摘した。
また、外国人による韓国株への投資が2年連続で続き、資本収支は385億5000万ドルの流入超となった。
金額は2009年に次ぎ過去2番目の水準だった。
経常収支は今年も黒字が見込まれるが、原油価格上昇、新興国の景気引き締めなどで、黒字幅は昨年を下回る見通しだ。
韓銀は今年の経常黒字を180億ドルと予測した。このほか、企画財政部は160億ドル、民間シンクタンクは200億ドル前後を見込んでいる。
現代経済研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)経済研究本部長は
「今年は原材料価格の値上がりなどで昨年よりも経常黒字が縮小するとみられるが、輸出が堅調に伸び、予測値は達成可能だ」
と指摘した。
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朝鮮日報 : 2011/02/08 07:40:09
http://www.chosunonline.com/news/20110208000008
1月末の外貨準備高、3000億ドル目前に
韓国銀行は7日、韓国の今年1月末現在の外貨準備高が前月末を43億9000万ドル上回る2959億6000万ドルとなり、過去最高を更新したと発表した。
外貨準備高が過去最高となるのは、昨年10月末(2933億5000万ドル)以来3カ月ぶりで、3000億ドルの大台が目前に迫った。
韓国銀行は「外貨準備高が増加したのは、既存の外貨資金の運用益に加え、ユーロと英ポンドの上昇によるものだ」と説明した。
韓国の外貨準備高は、昨年末現在で中国、日本、ロシア、台湾、インドに次ぐ世界6位。
1位中国の外貨準備高は2兆6483億ドルに達している。
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