2011年2月3日木曜日
「中国の時代」の生存法
● 朝鮮日報より
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朝鮮日報 : 2011/02/03 12:07:01
http://www.chosunonline.com/news/20110203000030
「中国の時代」の生存法
立ち遅れている韓国の中国研究
米国は第2次大戦時から中国を研究
韓国政府は昨年ようやく研究機関を設立
中国の急浮上に伴い、世界各国は中国を正しく理解するため、国家レベルでの努力を傾けている。
しかし韓国は先進国に比べ、中国研究の分野において量的・質的にはるかに立ち遅れている。
米国の中国研究は、1941年の第2次世界大戦参戦と共に本格的にスタートし、70年の歴史をたどってきた。
49年に中華人民共和国政府が樹立されたのを機に、さらに中国研究に力を入れて取り組むようになり、連邦政府の支援で12の大学に中国研究センターが誕生した。
米国の中国研究は、人文学分野は「シノロジー」、政治や経済など社会科学分野は「チャイナ・スタディ」と呼ばれる。
米国の中国専門家は昨年現在で、1000人に迫ると推定されている。
米国の中国研究は、東部ではハーバード大学のフェアバンク東アジア研究センター、西部ではワシントン大学のジョージ・テイラー中国研究センターが中心的な役割を果たしている。
さらに最近では、スタンフォード大学のフーバー研究所が「チャイナ・リーダーリップ・モニター」というウェブサイトを開設。
中国の動向に関する権威ある学者の論文を定期的に掲載し、米国国内の中国研究者をリードしている。
ブルッキングス研究所をはじめとする10大シンクタンクもそれぞれ中国研究所を設け、約10人の中国専門家が、変化する中国のさまざまな姿を注意深く観察している。
日本の中国研究は、外務省や防衛省、経済産業省、内閣情報調査室など政府機関が主導している。
このほか、警察庁警備局や公安調査庁も独自に中国研究に取り組んでおり、中国国内に設置された日本の在外公館も、中国の内政や軍事・経済の流れを追跡する報告書を作成し、本国に送っている。
また日本政府は、平和・安全保障研究所(安保研)をはじめとする民間の研究所に委託して、中国の指導者らによる発言のうち、中国の安全保障政策や戦略に関する報告書を発行するなど、中国政府の国防白書を詳細に分析する作業も進めている。
だが、これとは対照的に韓国政府は、1992年に中国と国交を回復した後も、関連研究機関を一つも設けなかった。
昨年末にようやく、外交通商部外交安保研究院に中国研究センターを設立し、今年1月から中国に関する電子メール情報サービスを開始した。
韓国の各大学にも中国研究所が何カ所か設置されているが、予算の支援がきちんとなされておらず、徹底した研究に着手できていない。
しかもその研究すら、人文学に比重が多く、中国の政治・経済を深く分析できる一線の専門家は、数える程度の人数しかいない。
こうした状況の中、少なくともサムスンやLGなど大企業が独自に研究所を設置し、中国経済の流れを追跡していることが、中国理解の一助となっている。
』
『
朝鮮日報 : 2011/02/03 12:04:53
http://www.chosunonline.com/news/20110203000027
「中国の時代」の生存法
中国による「韓国軽視外交」、対抗手段はあるのか
「これまで中国は韓国をなだめてきたが、韓国が自分勝手に韓半島(朝鮮半島)の平和と安定を脅かすならば、中国もそれなりの行動を示さなければならない。
中国が韓国に手を加える手段は多く、そのうち一つでも使えば、すぐにでも韓国を混乱させることができる」
これは、昨年12月23日に人民日報の姉妹紙、環求時報に掲載された社説の内容だ。
隣国に手を加えるという表現は、責任あるマスコミなら絶対に避けるべき無礼な表現だが、これには数十年にわたり隠されてきた中国人の本音が込められている。
それは、過去の東アジアの「朝貢冊封体制」に基づく差別的な韓国観だ。
1393年に明の朱元璋は朝鮮の太祖、李成桂(イ・ソンゲ)に次のような手紙を送った。
「中国の軍事力は兵力が百万人、戦艦は千里の道にあふれている。渤海の水路と遼寧の陸路を使えば、小さな朝鮮など朝飯にも満たない。あなた方はどうするつもりか」
14世紀末に朱元璋が見せたこのような態度は、21世紀初めの環求時報の考えと非常によく似ている。
華夷思想に基づいて韓国を小国扱いする中国人の優越意識は、最近になって復活の兆しを見せ始めている。
2011年に胡錦濤国家主席が米国を訪問し、世界の主要2カ国(G2)としての立場を固めた中国は、韓国に対して三つの顔を見せている。
まずは1992年の韓中修好以来、相互協力の際に見せてきた「笑顔」だ。
次に、北朝鮮による武力挑発を擁護し、国際社会からの非難にも動じない「面の皮が厚い顔」で、
3番目は韓国を脅迫し、無視する「脅迫的な顔」だ。
両国の修好以来、20年以上にわたり表に出ていなかった2番目と3番目の顔は、昨年3月に韓国の哨戒艦「天安」が攻撃を受けて沈没したのを機に、本格的に見え始めた。
中国が韓国に対してためらいもなく脅迫してくるのは、急速に高まった国力がその背景にある。
英誌「エコノミスト」は、昨年GDPで日本を上回った中国について、2022年には米国を抜いて世界1位になるとの予想を示した。
ブラックホールのように世界の資本や技術、商品を吸い込む中国の勢いの前で、韓国人は「中国の時代をいかに生き抜くか」「中国とどのように付き合っていくか」という課題に直面している。
「中国の時代」の影響はすでに韓国社会のあらゆる側面で垣間見ることができる。
3万社以上の韓国企業がすでに中国に進出しており、中国と関係のない企業を探すのがむしろ難しいほどだ。
両国の年間交易額は1992年の修好当時に比べ、30倍以上の2000億ドル(約16兆4200億円)に膨らみ、中国が保有する韓国の国債残高は4兆ウォン(約2900億円)近い。
今や中国の経済政策は直ちに韓国に影響を及ぼす。
そして、両国の間では毎週840便の航空機が飛び交い、1年におよそ600万人が行き来している。
また年間約 150万人の中国人観光客が韓国でショッピングを楽しみ、韓国の一等地にある不動産を買い求める中国人も少なくない。
韓国の大学は6万人もの中国人留学生を抱えている。
また多くの韓国人は、中国に勤務する、あるいは中国と取引のある親せきや知り合いが身近にいる。
中国時代の到来はまた、韓国人の間に中国語学習ブームをもたらしている。
小・中・高校で中国語を学ぶ児童や生徒が急増し、大学生やサラリーマンのための中国語スクールも大盛況だ。
大企業もかつては社員を中国に派遣して専門家を養成していたが、最近は中国語に精通した新入社員を採用するか、中国人を現地採用している。
さらには中国語の幼稚園も登場し、子どもの入園を志願する親たちが列を作っている。
このように民間では「中国の時代」がすでに到来し、将来に備えて着実に動いている反面、政府の対応は後手に回っている。
とりわけ韓国政府の対中国外交は非常に力量が低く、深刻な問題とされる。
アジアで米中間の覇権争いが起こった場合、韓国はその被害者となる可能性が高い。
そのため中国の政策決定担当者に会って韓国の立場を説明し、韓国を擁護する側に回らせる外交力がこれまで以上に強く求められている。
しかし外交通商部の局長級以上の幹部や、大統領府外交安保主席室などに「中国専門家」は存在しない。
そのため中国の外交官は
「韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権は米国ばかりを重視し、中国を軽視している」
として不快感をあらわにしている。
一方、韓国の専門家は、
「中国は昨年からマスコミや軍を動員して『韓国バッシング』に熱を上げ、北朝鮮を露骨に抱え込もうとしている。
これも中国の“韓国軽視外交”に基づいた動きだ」
と指摘している。
中国には「サイバーナショナリズム」で武装した4億人のインターネットユーザーが存在するが、彼らの「反韓感情」も放置してはならない。
1980年代と90年代に韓国の富豪たちが中国で横暴を働いても、彼らは何も言わず我慢してきた。
ところが最近は事実でないことまででっち上げ、「韓国バッシング」に余念がない。
中国の若い世代に広まる「反韓感情」に一度火が付けば、両国の政治、経済、文化に致命的な影響を及ぼすだろう。
しかし韓国政府は事実上、何の対策も講じていない。
漢陽大学国際大学院の文興鎬(ムン・フンホ)教授(中国学)は
「中国が米国と共にG2としての地位を固めた今、果たして韓国はこの状況を賢く乗り切るための“グランド戦略”を持ち合わせているのだろうか」
と指摘する。
政治・外交面では韓米同盟に基づき、米中間のバランス外交と対北朝鮮政策での協調外交を展開しなければならない。
中国が覇権を目指すような行動を取る際には、原則外交も必要だ。
韓国政府と韓国企業は世界最大の市場に成長しつつある中国で、「メイド・イン・コリア」の競争力を維持するために、長期的な産業戦略を早急に取りまとめる必要がある。
21世紀前半の韓国の未来は、この複雑な「生存方程式」をいかに解きほどいていくかに懸かっている。
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中国は外交が下手だ。
まるで幼稚園のダダッコみたいなものだ。
強いものには一面で卑屈になるほど腰が低いのに、弱者には露骨に感情を表す。
外交とはその当たりを均して、ギクシャクしないようにしていくものである。
中国はその手加減がヘタ。
これから対韓国にはもっと強行的に出てくるように思われる。
心してかからないと危ない。
銭勘定だけで判断してしまうという悪いクセを持つ韓国としては、全体的に時間的な展望をもって事にあたっていかないといけないだろう。
まあ、これは日本についても同じだが。
<future design>
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