2010年10月12日火曜日

情報収集をしようという努力すらないみられない

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● 三代目 金正恩



 国際情勢については日本はニュースが溢れかえっているのでどれを選んだらいいか分からない。
 隅から隅まで目を通すには時間もないし、何しろ煩わしい。
 あまり読みすぎてしまうと、今度はなにがなんだかわからなくなって、
 「本当のところどうなっているのだ!」
と、迷ってしまう。
 そこで便利なのが韓国のニュース。
 日本のメデイアの目ではなく、隣国という外国の目で世界を見てくれる。
 そのニュースをピックアップして、詳しくしりたければ日本のニュースを改めて検索すればいい。

 ところで、その韓国のニュースだが、これどうなっているのだというニュースにぶつかった。
 先日、北朝鮮は3代目の世襲が発表された。
 3代目は三男である。
 なら長男の感想はというと、そのインタビュー記事がテレビ朝日に発表され、それを韓国の新聞が援用しているのだ。
 隣の国だろう。
 北朝鮮の情報を最も密に取得しておかなければならない立場にあるのが、韓国だろう。
 情報部員の2,3人をぴっしり貼りつけておいてもいい人物である。
 まして国内のマスメデイアなら、なおのこと興味があるはずである。
 それが、日本のテレビ局のインタビュー記事を援用するとは。
 ここのメデイア媒体の動きはどうなっているのだろう。
 

朝鮮日報 記事入力 : 2010/10/12 09:00:49
http://www.chosunonline.com/news/20101012000018

後継者問題:金正男氏「三代世襲に反対」=テレビ朝日



 テレビ朝日が11日に報じたところによると、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男・正男(ジョンナム)氏は、弟の正恩(ジョンウン)氏による権力三代世襲について、これに反対するという意向を示したという。

 マカオで暮らしていることが知られている正男氏のインタビューの様子は、11日午後10時ごろ放送されたテレビ朝日の番組で流れた。インタビューの中で正男氏は、
 「個人的には三代世襲に反対だ。とはいえ、そうなるだけの内部的要因があると考えられ、(ならば)それに従わなければならないと思っている」
と語った。

 また正男氏は、「(自分は)後継者になることに関心はなく、弟(正恩氏)が後継者になったのは父の決断。
 弟が北朝鮮住民の豊かな生活のため、最善を尽くしてくれればと思う」と語った。
 このインタビューは、9日に中国・北京で行われたという。

 さらに正男氏は、正恩氏から頼まれたら北朝鮮に戻る意向があるかという質問に対し、
 「海外から、いつか弟が必要とするときに、うまくいくよう助ける用意がある」
と答え、海外に滞在し続けることを示唆した。



中央日報 2010.10.12 08:20:38
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=133768&servcode=500&sectcode=500



北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の長男・金正男(キム・ジョンナム)は、三男の弟・金正恩(キム・ジョンウン)が後継者に決まったことについて「個人的に3代世襲に反対する」と明らかにした。

金正男は11日に放送された日本テレビ朝日とのインタビューで、
 「(金正恩が後継者になった背景には)北朝鮮の内部的な要因があったと思う。そのような内部要因には従わなければならないと考える」
と述べた。

北朝鮮労働党創建65周年行事を翌日に控えた9日、中国北京で行われたインタビューで、金正男は
 「私は海外で、弟が(自分を)必要とする場合は支援する用意がある。いつでも私は弟を助ける」
と強調した。

また金正日は、「弟(金正恩)に何かメッセージを伝えてほしい」という要請に対し、
 「私は弟が北朝鮮の住民のために、そして北朝鮮の潤沢な生活のために最善を尽くすことを望む」
と語った。

金正男がインタビューで「共和国」ではなく「北朝鮮」という表現を使った点や「海外で助ける」と強調した点は、当分、北朝鮮に戻る考えがないことを間接的に表したものと考えられる。

本人や次男の金正哲(キム・ジョンチョル)が後継者にならなかった点については、
 「私はもともとそれに関しては遺憾もなく関心もないので、全く気にしていない」
とし
 「(金正恩が後継者になったことは)父(金正日委員長)の決断があったためだと思う」
と明らかにした。

後継作業が加速していることに関しては
 「内部的な問題があると考えるが、それを私が話すのは適切でない」
と述べた。
 金委員長の健康状態については「話すのは難しい」と具体的な言及を避けた。


 どうも分からない。
 北朝鮮の動向は、韓国にとって最大級の問題であろう。
 ならば、考えられるあらゆる情報を集めるというのが鉄則ではなかろうか。
 それがまるでなされていない。
 現代は情報戦争の時代である。
 情報に一歩先んじたモノが相応の利益を取得できるという時代である。
 こんなことでやっていけるのか、それで満足しているのか。
 あるいは、この記事。

 

朝鮮日報 記事入力 : 2010/10/10 11:56:08
http://www.chosunonline.com/news/20101010000027
http://www.chosunonline.com/news/20101010000028


【コラム】日本人料理士に金正恩情報を頼る韓国

 金正日(キム・ジョンイル)総書記の息子が朝鮮人民軍大将、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長に就任してから十日が過ぎた。
 父親が過去に歩んできた道や、現在の父の健康状態からすれば、この若者が来年、あるいは再来年に再び階級が上がり、北朝鮮権力の中核である軍を実質的に掌握する地位に登り詰めたとしても、何らおかしなことではない。
 先軍政治を掲げる国で軍を指揮するには、最終的に元帥に就任する必要があるだろう。
 金総書記は1992年4月25日、朝鮮人民軍創設60周年の際、父の金日成(キム・イルソン)主席のパルチザン時代からの部下、呉振宇(オ・ジンウ)と共に元帥の称号を受けた。
 そのとき、父のほかの仲間8人は、元帥の下に当たる次帥となった。
 朝鮮人民軍総司令官の地位はその前年、すでに父から受け継いでいた。
 国家主席が人民軍総司令官を兼任することになっていた当時、金総書記が朝鮮人民軍司令官となるのは、北朝鮮の憲法に違反するものだった。
 そのため北朝鮮は後日、この措置に合わせて憲法を改正した。
 現在、金総書記の健康状態は、当時の金日成主席よりもはるかに悪い。
 わずか30歳前後の、金総書記の息子が、北朝鮮の正規軍115万人をはじめとする770万の武装勢力を指揮する姿を目にする日は、それほど遠い先の話ではないだろう。

 金日成時代の北朝鮮憲法は、国家主席と最高人民会議代議員(韓国の国会議員に相当)の任期を4年としていた。
 しかし、金日成主席が生存中、この規定が守られたことはない。
 わずか3年で選挙が行われたことがあるかと思えば、またあるときには8年間にわたり、選挙がないこともあった。
 金日成主席が実質的な権力を握った1948年から死去した94年までの46年間、この種の選挙は計9回しか行われなかった。
 北朝鮮政治における掛け算は、「4×9=36」ではなく「4×9=46」になるということだ。
 しかし朝鮮労働党はさらにひどい。党の規約では5年ごとに党大会を行うことになっているが、実際は1980年以降、30年にわたり党大会が開催されたことはない。
 それでも金日成主席は、党中央委員会を1年に1回か2回は開催し、秘密会議を開催したときも、第何回の何の会議が開催されたと推測できる端緒は残して置いた。
 その後、金正日総書記の時代に入ると、北朝鮮はさらに予測困難な国となった。
 北朝鮮についてしっかりと理解するには、北朝鮮で絶対的な権力を持つ者がどんな人間かをまずは知っておかなければならないということだ。

 金日成主席が抱く米国への恐怖心は大変なものだった。
 金日成主席は韓国に武装ゲリラを送って大統領府を襲撃させたが、警備が比較的手薄だった在韓米軍基地を攻撃したことはない。
 金日成主席はかつて7・4南北共同声明に合意した真の意図について、「何としても在韓米軍を撤収させることにあった」と語ったことがある。
 金日成主席にこのような感情を抱かせたのは、韓国戦争(朝鮮戦争)の記憶が鮮明に残っていたからだ。
 朝鮮戦争初期、釜山に向けて順調に進軍していた朝鮮人民軍は、洛東江戦線で米空軍による爆撃を受けて壊滅した。
 幸か不幸か分からないが、金日成主席はその場にいなかった。
 金日成主席が米軍の爆撃を目の当たりにし、その威力を実感して恐怖心を抱くようになったのは、平壌を脱出して逃れていた平安北道の高山地帯だった。
 会議中に爆撃を受けた金日成主席は、近くにある鉱山の地下坑道に何度も避難しなければならなかった。
 北朝鮮の公式記録は当時の模様について、「米帝の空中匪賊が1日も休むことなく連続して爆撃を加えてきた」と記録している。
 これはその時の高山地帯での模様を記録したものだ。

 金総書記は権力を継承してから、「今度こそ経済改革に乗り出すだろう」という外部の予想を何度も裏切ってきた。
 しかしこれは厳密に言えば予測する側の勘違いだ。
 金総書記は後継者としての教育を受けていた1970年代、「経済に新技術と新たな方法を導入し、生産性を高める」ことを目指す「三大革命運動」を展開したが、最終的に経済を後退させるという正反対の結果を招いた。
 父が直接後始末をしなければ、後継者としての地位が非常に危うくなるほどの大失敗だった。
 その後、金総書記は父の70回目の誕生日を祝うため、主体思想塔や凱旋門などの巨大建築物を建てたが、経済問題にはほとんど手を出さなくなった。
 金日成主席が持つ米国への恐怖心と、金総書記が経済問題にうかつに手を出さないのは、このような事情があったのだ。

 北朝鮮が金総書記の息子の国に変わろうとしている今、われわれはその息子について何も知らない。
 彼がいつ生まれてどのような教育を受けたのか、またどのような経歴を積んできたのかも分からない。
 金総書記の近くで長い間料理人として働いてきた日本人が伝えた、「白頭山で立ち小便をした」「若いころからたばこを吸っていた」などの雑談めいた話がすべてだ。
 この程度の情報しか分からないということ自体、非常に恥ずべきことだろう。
 北朝鮮が韓国を見くびらないようにするには、怒るべきときに怒り、耐えるべきときに耐えなければならない。
 しかし相手についてこのように何も知らないようでは、いつ怒っていつ忍耐すべきかさえ分からない。


 最後の数行を読むと背筋が寒くなる。
 「IT強国」と胸を張っているのに、肝心の情報収集が何もなされていない。
 情報収集をしようという努力すらないみられない。
 38度線を挟んで戦争状態にあるハズである。
 生死の際にいるはずだ。
 国民皆兵を是としている国である。
 国を守るために徴兵制を敷いているハズである。
 ソウルは国境線から数十キロしか離れていない。

 「平安沈没」の公式発表を国民の1/3は信じていないという。
 この情報に対するいい加減さからいうと、市民がそう考えても不思議はない。
 一体、この国の人達は自らを自らとして認める意志があるのだろうか。
 何か、基本的なものが明白にスッポリと欠落しているような気がしてならない。
 そして、それをヨシとしているようにしか見えない。



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朝鮮日報 記事入力 : 2010/10/13 10:01:32
http://www.chosunonline.com/news/20101013000029
後継者問題:「金正男氏に手を出すな」

中国側が正恩氏の側近らに対し警告

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男、正恩(ジョンウン)氏が後継者に内定して以降、その側近らは長男の正男(ジョンナム)氏に接近しようとしたものの、中国側から「手を出すな」と警告を受けていたことが、12日明らかになった。

 韓国政府の消息筋はこの日、
 「正恩氏の側近らが、海外でいい加減な話をする正男氏を放ってはおけない、という姿勢を見せているが、中国側が『正男氏に手を出すな』『中国の領内では(接触を)絶対に認めない』というメッセージを伝えたと聞いている」
と語った。

 正男氏は、中国共産党の高級幹部の子弟などで、特権的な地位にある「太子党」と親交が深いとされている。
 北朝鮮が崩壊した場合、中国が正男氏を指導者に据え、北朝鮮を吸収しようとしているのではないか、といううわさも、こうした状況と無関係ではない。
 前出の消息筋は、
 「正男氏は北朝鮮に戻らず、自宅があるマカオや北京など、中国領内にとどまるだろう」
と語った。
 なお、正男氏が今月9日、テレビ朝日の取材に対し、「個人的に、3代にわたる世襲には反対だ」と答えたのも、北京でのことだった。



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朝鮮日報 記事入力 : 2010/10/14 09:33:40
http://www.chosunonline.com/news/20101014000018
後継者問題:中国、正男氏のインタビューを黙認か

日本メディアに「世襲」「北韓」など堂々と発言、中国の身辺保障なしには困難との見方

事前に調整し「偶然」を演出か…中国、正男氏を通じ北へメッセージ?

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男・正男(ジョンナム)氏が9日に行ったテレビ朝日とのインタビューで、「三代世襲に反対する」と発言したことをめぐり、このインタビューが事前に調整されたものとの分析が聞かれる。
 外交消息筋は13日、「インタビュー画面と正男氏の発言を詳しく分析すると、インタビューに応じるという条件で、正男氏の身辺の安全とメッセージに対し配慮するよう、事前の打ち合わせがあったように感じられる」と語った。
 インタビューが実現する過程で、中国側の黙認があったとの見方も出ている。

 テレビ朝日は、インタビューの場所を中国・北京と画面上に表示したが、正男氏の身辺の安全に配慮して背景はすべてぼかされ、場所が特定できないようにしていた。

 また、正男氏に北京市内で偶然出会ってインタビューした形で報じられていたが、放送内容を見ると、事前に打ち合わせられた様子がうかがえる。
 日本の記者が韓国語で「金正男さんではありませんか」と声を掛けると、正男氏は慌てることなく「はい」と答え、インタビューが始まる。間に「これはオフレコ」という正男氏の小さな声も聞こえる。
 また、正男氏は北朝鮮では禁句とされる「三代世襲」や「北韓(北朝鮮)」などの言葉も堂々と口にした。
 外交消息筋は、「中国が身辺保障の約束をしていなければ、海外にいる正男氏がそのような言葉を使うのは困難だ」と語った。

 正男氏がインタビューで語った内容も、中国の立場と一致するものだ。
 中国は、北朝鮮に使節団を派遣して三代世襲を祝福したものの、内部的には
 「世襲には不満だが、北朝鮮の内政には干渉しない」
との立場だ。
 正男氏も、
 「世襲には反対だが、(世襲に)内部的な要因があるのなら、それに従わなければならない」
と話し、中国と同じ立場を示した。

 テレビ朝日は、
 「正男氏が、自分が後継者になれば北朝鮮を開放的な国家にする、というメッセージを中国に送ったもの」
と分析したが、外交消息筋は、
 「中国が正男氏の口を通じ、遠回しに北朝鮮にメッセージを送ったようだ」
と正反対の見方を示した。






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